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釧路湖畔幼稚園ステンドグラス制作の流れ

ステンドグラス制作行程 by

驚くことに昨年の9月よりブログ更新しておりませんでした。

と言いますのも、たまにあるありがたい公共施設のステンドグラスパネルの制作に追われていたからなんです。

お仕事の依頼と制作までの流れ

事の始まりは昨年2021年6月の1本の電話であります。
キリスト教系の幼稚園で、建替え工事があるとのことで
そこにステンドグラスを入れたいとのお問合せでした。
これくらいの大きさならだいたいこれくらいの金額ですね。納期はこれくらいかかのるので、いつくらいまでに制作寸法は知りたい。などとお話ししまして
それを元にお客様が建物のどこにどれくらいの大きさのものにしようかと建築屋さんと打合せをしてくれます。
キリスト教学園なので、聖書のどのシーンがいいとか希望があれば考えてもらいます。
この段階ではまだご依頼いただく事は確定していません。
他にも見積もりをとってそちらになったり、予算が合わなく話が流れることもよくあります。

7月に無事デザイン依頼のご連絡をいただきました。
2月完成の物件でしたので、デザイン期間は多めの2か月をいただきました。
さすが幼稚園の先生、ご自分でもデザインを描いて添付してくれました。
「ノアの方舟」・「2匹の魚と五つのパン」・「主イエスはまことのぶどうの木」の讃美歌の歌詞からイメージしたものをデザインしてほしいとのことでしたので
7月は色々と資料を読んだり、ラフを描いてイメージを膨らませました。
8月に「ぬおおお」と本格的にデザインに入りました。
この2021年の8月、北海道の旭川は恐ろしいほどの暑さで(東京より暑い日も!北海道は涼しいなんて、もはや過去の話し)
私の仕事場はクーラーもないもので、昼過ぎたらもう室内にいてもムンムンとした暑さに襲われました。
コロナも落ち着いておりましたので、毎日ドトールで美味しいアイスコーヒーをいただきながら手描きでデザインしました。
横で勉強していた学生は「この人何描いてるんだ?」と思ったことでしょう。
2週間はかかったでしょうか。その後パソコンでデータにしまして、お客様からのデザインもデータにして一緒に提出しました。
せっかくなので自分でデザインしたものを作りたいなぁと思っていましたら
私のデザインの方を選んでいただきました。

その後、現場の方で正確な制作寸法が出るのを待ちます。
待っている間も、現場の方と打合せをチラホラとします。
そして、ガラスを何にするか、どれくらいのサイズが必要か、と選び発注します。
最近コロナの影響でガラスの在庫切れが多く(港で止まってしまっていたりしてるようです)、今回制作するステンドグラスも大きいので大きなガラスが必要で
あれはない、これならなんとか足りる。ここはどのガラスにしましょうか・・・
などと繰り返すわけです。
ガラスが決まっても、一気に仕入れると置き場所に困るので
3か所のステンドグラス別で、作る順に仕入れさせてもらうことにしました。
2か月以上も取り置き状態のガラスもあったのに、丁寧に対応してくれて
輸入元には感謝です。

で、やっと10月の後半に取り付け箇所の図面が来ました。
待ってました!と、制作用のデータを作り、原寸の型紙を作って、ガラス切り用の型紙を切り。と準備が進みます。

11月に入り、1箇所目の制作スタートです。
全体のスケジュールと、3箇所分の細かいスケジュールも作ります。
「この日までにここまで出来ていないとヤバい」というのを知るためのものです。
納期は2月頭とのことでしたので、1箇所づつ1ヶ月で進めていけば、1月末にはなんとかなるぞということで、張り切りました。
なるべく詰めてやっていこうと張り切りました。

1箇所目ホールのステンドグラス「ノアの方舟」

1箇所目の制作はこちらにしました。
完成の写真です。「ノアの方舟」です。


めんこい。

いけない、北海道弁が出てしまいました。「可愛い」という意味です。

まずは、動物の顔などの絵付けです。


並べてみました。めんこい。

2枚のガラス切り終了。この時点で11月17日。
大丈夫か?私。


で、組み立てに入ります。
2枚の組み立てが終わったのが12月1日。
すでに予定オーバー。
2箇所目の型紙制作をしながら、パテ埋め作業に入ります。
この頃、かなりドキドキしています。

 

2箇所目丸窓のステンドグラス「キリスト誕生」


羊飼いもいて可愛い。
キリスト誕生を天使たちが祝福し、羊と羊飼いも見ています。
提出したデザインでは、裸の子供の天使だったんですが
「裸よりも、服を着てラッパを吹いている物にして欲しい」とのことで
こちらの天使に変更しました。


せっせとガラス切ります。


全部切れたのが12月15日。
なかなか良い追い上げです。
このあと、羊の顔に目を絵付けで入れました。

んで、組み立てです。

着々と組み立ても終わり、パテ埋めをして
パテが固まったのでパテを取り、磨いていました。
この時点は12月21日。かなり良いペース。どんどん前倒しすれば1月中旬には完成しちゃうかな?なんてウホウホしてまして。
4分割での制作なので1枚のパネルは70cmくらいだったもので
横着な私は座りながら作業をしてたんです。
裏がえすのも座りながら。
この時、事件は起こります。

トイレに行きたくなり、席を立ちました。
腰が伸びないわぁとは思いつつ、前かがみも多いこの仕事、よくあることです。
歩いているうちに腰は伸びていきます。いつもなら。
で、トイレに入り、便器に座った瞬間「ヤバい!」と思いましたね。
腰やっちゃってました。
「うそでしょ~」と思いながらトイレから出たのですが
腰が曲がってるプラス膝も伸びない。伸ばすと激痛。
4日間は使い物になりませんでした。
歩くのもやっとで、杖がないので傘を杖替わりにして移動です。
昼間はなるべく仕事場で横になり、材料販売の方の注文処理だけをなんとかこなす日々。
腰も膝も曲がった私は、コントに出て来るおばぁちゃんでした。
子供たちにはゲラゲラ笑われるし。。。
なるべく詰めて進めたいと思って、休日も作業してたツケがまわりました。

 

3箇所目丸窓のステンドグラス「2匹の魚と五つのパン」


葡萄も綺麗。

12月27日より型紙の準備を始め
当初は「正月なんて休まないぞ~」と思っておりましたが、腰やっちゃいました事件がありましたので、お正月は31日~2日まで3日間ほどお休み取りました。
気分もリフレッシュで1月4日よりお仕事です。

葡萄部分は細かいものの、下の方はパーツが少ないので1月12日にはガラス切りも終わりました。

組み立て開始。
私、ステンドグラスの作業の中でこの組み立てが一番好きです。
いつまででもやっていたいほど。
今回は大量のパネルでしたので、本当に楽しかった~。
ちなみに一番嫌いな作業は、ガラスを削るルーターの水を捨てる事です。
どうでもいいような作業ですが、一番嫌いです。
ルーターの水を捨てたくないから、ルーターを使う時は2日は使うように日程を組みます。
自分の作業で2日もかからない場合は、教室の日とぶつかるようにしたり。
ま。そんな小さな作業の話しは置いといて。

3か所全ての作業終了は1月22日でした。
ギックリもはさみつつ、よく頑張りました。私。

 

ステンドグラス施工写真

今回は取り付けには行きませんでした。
ステンドグラスをお送りして、現場の方で付けていただきました。
施工後のお写真も現場の方が送ってくれました。ありがたいです。

ホールです。
真ん中に十字架が入ってるんですよ。素敵ですね。

 


そして丸窓です。
図書室とのことです。
絵本とか座って読むのかしら。

ステンドグラスの色の光が床にも映って綺麗ですね。

子供たちの記憶に残るといいなぁ。
ステンドグラスだとは分からなくても、窓に可愛い絵があったなぁなんてね。

今回は幼稚園でしたので、絵本のような可愛いイメージでデザインしました。

サイトでのページはこちらです。
釧路湖畔幼稚園 2022′

 

Category: ステンドグラス制作行程, 施設パネル

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最後まで見ていただき本当にありがとうございます!皆様の一日一日が素敵で幸せな日々でありますように♪

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