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【vol.13】同業者に見られて、恥ずかしくないモノを作れ

作家ステンドグラスコラム by

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「同業者に見られて、恥ずかしくない物を作れ」
これは、私のプロとしての信念です。

 ステンドグラスを作っていて一番恐いのは、同業者です。作り方やガラスの値段、全てを分かっている人が見て、「良いものだ」と思ってもらえなくてはいけないと思います。
 お客様に納得していただく事が一番重要ですが、同業者は仕上がりだけではなくハンダ付けの細かい所や、ガラスのカットの仕方まで、鋭くチェックしてきます。手を抜かずに、良心的に制作していれば、安心なんですけどね。

 プロである以上は、一定の技術があるのは当たり前のことです。丁寧に作っているかどうかが問題だと思います。

 いろんな所で、ステンドグラスの小物や窓に入ったパネルを見かける事があります。丁寧に作ってあるものを見ると「やられた~」と思います。尊敬と、口惜しさ(何に対してかは分かりませんが)と、私もがんばるぞ~という、なんともゴチャゴチャな感情です。それと同時に、心が晴れやかになります。
 それとは逆に、なんだか手を抜いたような作品をみると「やっちゃたね~」と思います。なんとも不快感が残りますね。

 この2つの違いは、デザインの問題ではありません。ひし形が真ん中に入っただけのものでも、まるで違って見えます。その違いは何か。それは、その作品への心構えの違いだと思います。

 教室に通って、趣味で作っている人のもので、技術的にはまだの人の物でも、一生懸命作った物には、見る人の気持ちを捉える何かがあります。作った人の気持ちが作品に出てしまうんですね。これは、とても素敵な事ですが、とても恐い事でもあります。

 プロとしてやっていると、体調が良くないときでも制作しなくてはいけません。だからと言って、手を抜いてはいけません。理由は「プロ」なんですから。
 お金を頂いて、作らさせていただいているのですから、自分の都合で、適当な作業をしてはいけないんです。お客様の事を考えて、作らなくていけないですよね。

 私の父は、生前よく「素人をダマしちゃいけない」と言っていました。その通りです。適当な物を作って「これはあ~だこ~だ」とウンチクをたれれば、作り方など知らない人だと「そ~ゆうものか」と思っていまいます。
 しかし、その場ではダマせれたとしても、いつかはバレます。その人が、違う人の作品を見た時に「あれ?私の持ってるステンドグラスとなんだか違う」と気付くはずです。

 全てを知り尽くした同業者が見ても「良いですね」と言うものを作るのが当然の事です。それを忘れてはいけないですね。

(2003年/9月メルマガより 2004年/10月更新)

Category: 作家ステンドグラスコラム

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