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【vol.15】デザインの仕方

作家ステンドグラスコラム by

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「どうしてデザインができるの?」「どうやって浮かぶの?」「美術系の学校を出てるの?」と、よく聞かれます。
私は、美術系の学校も、デザインの学校も出ていません。高校を卒業して、すぐにステンドグラスの制作会社に就職しました。家が近所という事で、バイトをしていた会社にそのまま就職したんです。

学生の頃も、特に美術部に入っていたわけではありません。選択授業で美術はとっていたけども、週に1日2時間だけでした。これといって「私は美術が得意!」なんて思った事もなかったですね。
修学旅行の文集の表紙とかは描かせてもらった記憶がありますが、「これでいいのか?」という感じで描いてました。

そんな私が、なぜステンドグラスのデザインをできるのか・・・
それは私にもわかりません(笑)
就職してすぐに、上司に「この物件のデザインしてみて」と言われ、「え??」と戸惑っていると「幾何学模様で、ひし形とかいれて描いてみて」と言われ、なんとなく描いてみたのが、ステンドグラスのデザイン第1号でした。
それも上司に手直ししてもらって、お客様に提出したんですよ。
なんだか、「美術やデザインの学校に行ってない」というのが、すごくコンプレックスに思う時期もありました。
そんな時上司が「そんな学校で教わる事なんて、たいした事ないよ。仕事としてする方が何十倍も勉強になるし、吸収できるから。気にする事はないよ。」と言ってくれて、そう思うように努力しました。

しかし、初めの頃は、何も浮かばない! 自分の引き出しには何も入っていない状態ですから、本当に大変でした。なんだか似たものばかり描いてた気もします。
そんな中で、私はどうしたかと言うと美術館に絵を見に行きました。絵画集とかも見ましたね。色彩感覚や絵の雰囲気をつかもうとしました。
作者はどういう気持ちで描いたのか、どんな精神状態だったのか、そういうのはなんとなく絵から伝わってくるものです。

その後は、デッサンもしましたね。「柔らかい線」「力強い線」の使い分け方を考えたりしました。
花もいっぱい描きましたね。花を紙にかくと「死んでる花」になる事があります。いかに「生きてる花」を描けるか、それが目標でした。
線の位置がちょっと違うだけで、ぜんぜん変わってしまうというのが、デッサンのおもしろいところでした。
あとは、好きな絵を真似て描く事もしました。真似る事で、その作者の気持ちが分かる気がしました。気持ちをどういう位置に保てば良いのか、それをつかみたかったんです。
デザインとか絵を描く時は、気持ちを静かにしなくては描けません。静かにするというと分かりづらいかもしれませんが、落ち着けるというか、スーッと内にこもる感じですね。

私がデザインする時は、頭(心)の中で風景のような、ブワ~ッと広がったイメージをえがく事が多いです。
しかし、私はギロギロしたデザインが好きではありませんので、そのイメージを壊さないように慎重に線を消していく作業をします。
「いかに少ない線で、頭に浮かんだイメージを形にできるか」という挑戦をしている感じです。
デザインをし始めた頃は、「あれもこれも入れたい」という考えで描くので、どうもまとまりの無い、ごちゃごちゃしたものになって、「いったい何を描きたいの?」というものになっていました。

うまくポイントをおさえて伝える能力が必要なんだと思います。まだまだ私自身うまくはいってません。日々勉強ですね。
ステンドグラスは、板ガラスをカットして組み立てていくものなので、制作の規制もあります。「こういう形のものを作りたい!」と思っても不可能な事があります。
規制の範囲の中で自分を表現していくというのは、難しくもあり、楽しくもあります。「へ~、こんな形もできるんだぁ」と思ってもらえる物を作れるように頑張ります。
それはいったい、いつになることやら・・・
みなさん、気長に待ってて下さいね♪

(2003年/12月メルマガより 2005年/03月更新)

Category: 作家ステンドグラスコラム

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最後まで見ていただき本当にありがとうございます!皆様の一日一日が素敵で幸せな日々でありますように♪

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