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【vol.1】ステンドグラスに対しての考え

作家ステンドグラスコラム by

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 18歳の頃(1994年)ステンドグラス制作会社に入り、ステンドグラスとはどういうものなのかも分からずに、ただ作る事が楽しくて作っていました。そして続けるうちにどんどんその魅力に引き込まれていきました。しかし、北海道の一都市で仕事をしていると「私がしている事はなにか間違ってはいないか。」という不安がありました。

 21歳の時(1997年)にフランスに絵付けの勉強に行く機会があり、全国から8人が集まりフランスへ行きました。そこでいろんな人と接し、技術面ではまだ未熟なところだらけだけれど、なんとか大丈夫だと分かり安心しました。それまでは、公共施設や一般住宅の仕事をしていましたが、ステンドグラスに対しては芸術作品・インテリアという考えしかありませんでした。
 私はキリスト教徒ではないので、「教会などに入っているステンドグラスはくどいデザインのもの」という先入観で、ちゃんと見るという事もありませんでした。

 しかしフランスに行って教会の聖堂に入ると、巨大なステンドグラスが私を圧倒しました。それは、生命が宿っているかのようなすごい迫力でした。その歴史の深さと大昔の制作者の思いなどが、何百年もたった今でも鮮明に伝わってきて、鳥肌が立ち身動きできませんでした。こんなすごいものに私は関わっていたのかと、すごい衝撃を受けました。私はフランス留学でいろんな人に出会い、たくさんのステンドグラスを見て、何か人に伝えられるようなものを作りたいと強く思うようになりました。

 その当時会社ではデザインをして一通り作業の指導をしていました。ガラス切りの専門の人、組み立て・ハンダ付けの専門の人がいてその人達に指導してまわる仕事です。しかし人に何かを伝えるには、全ての作業を自分一人でしなくては伝わらないのではないかと思いました。そのためには会社を辞めて独立するしかないのではないかと思い、22歳の時に会社を辞め独立しました。
 人に何かを伝えられるものと言うと、すごい芸術品のように思えますが、ただ「きれいだな。」と感じてくれるだけでもいいと思います。
 今はまだ私自身、今の精一杯でやっていますが、まだまだ職人としても作家としても半人前です。これからいろいろなものを吸収して、技術を磨いて、人間的にも成長しなくてはいけないと思っています。
 自分でも20歳の頃にデザインしたものを見ると「このへんがあまいなぁ」と思ったりもします。諸先輩方が今の私の作品を見て「まだまだだな」と思われるかもしれません。しかしその時その一瞬の精一杯を出せればいいのかなとも思います。
 私はこれからもずっと「今度はもっといいものを」と思い続けながらステンドグラスを作っていくと思います。

絵付けとは?

 絵付けとは、ガラスにグリザイユ(金属酸化物の一種の絵の具)で線や陰影をつけて、窯で焼き付ける技法です。
 絵の具にはグリザイユの他にシルバーステイン(塩化銀と黄土などの媒介物からできているもの)があります。これは銀粒子がガラス内部に浸透しガラスを黄色に着色できます。エマイユ(酸化金属と無色透明のガラスパウダーが配合された絵の具)は、たくさんの色の種類があります。グリザイユは明暗を調整するための絵の具に対してエマイユは色彩を得るための絵の具です。

(2002年/9月)

Category: 作家ステンドグラスコラム

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